スイスの音楽家、エミール・ジャック=ダルクローズによって20世紀初めにリトミックは創始されました。それは、精神と身体の一致調和をはかるための方法ですが、具体的な目標として次のものがあげられます。
♪想像性と創造性に沿って自己開発をしながら個々の能力を伸ばして行く。 ♪音楽に感応する能力を育て、感受性豊かな人間作りを目指す。 ♪グループ活動を通じて、人とのかかわり、自己の確立、倫理性などを学ぶ。
目標を達成させるために、さまざまな手段や方法、形態があります。
♪音楽に従って動く。(リズム、ハーモニー、メロディーなどの音楽の構成要素を理解し、把握する) ♪テーマについてのイメージを喚起し、身体を使って表現する。 ♪即時反応の訓練をおこなう。(悩と身体を結ぶ流通を速やかにする) ♪表現したいものを譜面にかく、あるいは譜面に書かれたものを再表現する。
つぎにリトミックが動作を伴う理由を述べます。
♪抽象的なものを具体化するため。音楽という抽象的なものが動き(実際行動すること)として経験されるとき、それはその人の身体という具体性をもつ。 ♪筋肉感覚は内的感覚を助ける。
ダルクローズは知覚の五感にもうひとつ筋肉感覚というものをプラスしている。筋肉感覚の開発は、内的感覚を助けるものとしてリトミックの活動において大変重視されている。
以上の学習によって得られる自己開発、自己表現、自己認識の豊かさはリトミックが本来、幼児期のみならず、成人社会にも影響力をもたらす情操教育として認められる理由となっています。
(リトミック科卒業生の文集より)
文=北條 紋 私はピアノを習い、小、中学校と吹奏楽部に入り、中学の選択授業で音楽を選ぶまでに音楽が好きになっていた。今考えてみると、その理由は小さい頃からリトミックを始めていたからでは……?と思う。音楽が好きでリトミックを続けてきたけれど、アトリエに行って先生や友達としゃべることも楽しみだった。リトミックをやっていてたくさんの友達ができた。その友達とリトミックをやっていることが楽しかった。楽しくて12年間も週に一回通っていたリトミックが今日で終わりと思っても、まだ全然実感がわかない。「研究科なんてまだ先!!」「卒業なんてまだまだ先!!」と思っていたのに、いつのまにか研究科に入り、もう卒業。すごく早い。リトミックをやっていなかったら音楽の楽しさを知ることができず、音楽にそれほど興味を持たなかったかもしれない。たくさんの友達にも出会えなかった。本当にリトミックをやっていてよかったと思う。
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